2001年から「瑕疵担保」が10年間になったと聞きましたが、どういうことでしょうか?

「瑕疵担保」とは、建物を建てる時に建設会社と施主とが、契約する時に出てくる名称です。建築した建物に瑕疵(欠陥)があった場合は、施工会社が責任を持って直しますという担保責任です。

それまでは建物により1年か2年の責任でしたが、平成12年4月1日より10年間の瑕疵担保責任が法律により義務づけとなりました。この法律は「住宅の品質保持の促進等に関する法律」の中にあります。

「瑕疵担保期間10年間」の義務づけは、新築住宅取得契約(請負・売買)において、基本構造部分(柱や梁など、住宅の構造耐力上必要な部分、雨水の浸入を防止する部分)について、売り主および請負人に対して10年間の瑕疵担保責任(補修請求権等)が義務づけられることになりました。

構造耐力上主要な部分とは、基礎・壁・柱・土台・梁など。
また、雨水の浸入を防止する部分は、下地や窓といった開口部などを対象とします。

構造耐力上主要な部分は、住宅完成後は内装材に覆われて、引き渡し時に外観から瑕疵を発見することが困難です。引き渡し時から一定期間経過後に欠陥事象が生じて、はじめて瑕疵の存在に気づきます。 構造耐力上主要な部分については、長期の瑕疵担保期間の設定が必要となります。

『月刊ぷらざ2001年1月号掲載』回答:荘司由利恵(JIA会員)

6 月 13, 2005 カテゴリー: 法令関係 | | コメント (0)

念願の住宅を工務店の設計施工で手に入れたのですが、雨漏りがして困っています。工務店には直すように言っているのですが、一向に直してくれません。請負契約は平成12年5月2日でしたが、新しく制定された品確法が適用されるのでしょうか?

「住宅品質確保推進法(品確法)」 は、欠陥住宅対策法とも言える法律で平成12年4月1日より施行されました。

同法律は、

  1. 住宅の基本構造部分についての瑕疵(かし) 担保期間10年間の義務付け、
  2. 住宅の性能表示基準の制定、
  3. 新たなる紛争処理期間の設立、

から成っています。
基本構造部分とは建物の構造耐力上主要な部分、また雨水の浸入を防止する部分をいいます。

質問の雨漏りですが、これは明らかに瑕疵(欠陥)です。工務店との請負契約が法施行後ですので品確法が適応されます。

ただし、瑕疵修復の請求期間は瑕疵発生後原則1年間なので早めに施工業者に文書で、修復期間を定めてその期間内に直すよう請求することをおすすめします。

繰り返しの請求にもかかわらず直してもらえないようなときは、修補に変わる損害賠償請求をすることが出来ます。こうした場合は紛争解決機関または第三者の弁護士や建築家等の専門家に相談されたほうが良いでしょう。

早めに手を打つことによって内装等の2次的被害の拡大を防ぐことにもなります。

『月刊ぷらざ2001年4月号掲載』回答:石川純男(JIA会員)

6 月 13, 2005 カテゴリー: 法令関係 | | コメント (0)

住宅の雑誌やカタログに施工面積と法床面積などと書かれていることがあります。違いは何ですか?

建築に関する法律に建築基準法がありその中で床面積に関する算定方法が規定されており、これにより算定さ れたものが通称法床面積と称されているようです。特徴は室内用途に供する部分を扱います。これにより建蔽率等の法規制の根拠となります。
一方施工面積はベランダやマンションの外廊下等室内用途ではないのですが、工事をするにあたり見積上計上しなくてはならない部分として、各団体、各 メーカーが独自に基準を定めたもので、ベランダ、外廊下の面積を全て算入するものや、2分の1だけ算入するものなどまちまちです。

比較しますと一般的には施工面積の方 が大きくなり、基準がまちまちなことも留意する必要があります。

家を建てる際の工事費の概算を客観的に判断する際には施工床面積、規模を検討する時は法規制に適合する法床面積を参考にするとよいと思います。
また特殊な例で営業許可を所轄の役所に申請する際、内法(うちのり)で算定する方法もあります。いずれにしても面積の算定根拠が不詳の場合は、資料作成先に確認をしておくと誤解等の発生を防ぐことが出来ます。

『月刊ぷらざ2002年5月号掲載』回答:米田雅夫(JIA会員)

6 月 13, 2005 カテゴリー: 法令関係 | | コメント (0)